教派神道とは

 明治維新を境に、日本古来の信仰(神道)は、押し寄せる異国の文化に対応するため、国家を挙げての管理下に置かれた時代がありました。神話時代から尊ばれた神社は、国の機関のひとつになり、布教活動には当たれなくなりました。
 当時、国学(日本固有の精神理念)が興り、神道を心のよりどころと考える人々が増えて行く中、明治政府は神社と別に、数多くの宗教活動を行う団体の中から神道を信奉する民衆宗教団体を教団として認めることによって、布教活動を許可し、国民の精神生活の柱となる部分を培おうとしました。この時に勅許(天皇からの直接の布教許可)を受けた、のちの「神道十三派」と言われる教団が「教派神道」と総称されるようになったのです。
 これらの教団は皆、幕末から明治維新にかけて成立したもので、日本人の心に深く根ざした神道的な信仰が、優れた人格者たちによって磨き上げられ、現在もなお人々に明るい光となって照らし広められている神道教団です。